COLUMN

コラム

事業承継・M&A
2024.04.11

増資のメリット・デメリット

 黒字が続き利益剰余金があるため、利益剰余金を資本に組み入れることを考える方もいると思います。

 手続きとしては、株主総会で増資をする旨の決議した後、増資の登記を行い、税務署等に届出書を提出すれ完了します。ただし、株式会社と異なり、合同会社においては利益剰余金を資本金に組み入れることができません。

 

 増資の手続きは、以下になります。

  • 株主総会を開いて決議する(剰余金をいくら減少させるか、資本金の額の増加が効力を生ずる日)
  • 法務局で登記を行う(増資額の0.7%(最低3万円)の登録免許税が必要になる)
  • 税務署、県税事務所、市役所へ異動届を提出する(謄本の添付が必要)

 

 増資をすることで、会社の信頼性や安全性といった企業イメージ向上に紐づきます。

 しかし、資本金の額によって、税率や税金の額が変わることから、そのラインと税金の関係を把握しておかなければなりません。

 

 下記、資本金の金額により、優遇を受けられない場合を記載します。

 ・資本金1,000万円の場合

 法人の設立当初2年間は、課税事業者となり、 3年目は原則に戻り、基準期間の課税売上高で納税義務を判定する。

 

 ・資本金1,000万円超の場合

 法人住民税の「均等割」金額が上がる。

 

 ・資本金3,000万円超の場合

 中小企業の設備投資を後押しする主な優遇税制の、「中小企業投資促進税制」「商業・サービス業・農林水産業活性化税制」は特別償却のみ適用、「中小企業経営強化税制」は税額控除が下がる。

 

 ・資本金5,000万円超の場合

 中小企業を対象とした補助金の申請ができなくなる可能性がある。

 中小企業経営強化税制の対象外となる可能性がある。

 

 ・資本金1億円の場合

 税務調査の担当が納税地の税務署でなく国税局に変わる。

 

 ・資本金1億円超の場合

 法人税の軽減税率が適用されなくなる。

 交際費等の課税の特例が適用されなくなる。

 欠損金の繰越控除が適用されなくなる。

 欠損金の繰戻還付が適用されなくなる。

 中小企業の優遇税制が適用されなくなる。

 法人事業税が外形標準課税になる。

 

 このように、中小企業の資本金は1,000万円未満であれば、法人税や法人住民税の負担を少なくできて、中小企業の優遇税制を適用できます。

 

大阪の税理士 杉本会計事務所
大阪市東住吉区杭全3-4-4

業務部法人 第5課 監査担当 藤田 真吾

CONTACT

ご相談・ご質問等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。

訪問・ご来所・ZOOM面談対応!