脱税時の査察調査について
今回は脱税時の査察調査についてお話したいと思います。
まず、脱税とは納税義務者が本来納めなければならない税額の一部または全部を申告せず、納付を免れることをいいます。
現在日本は納税者自身による適正な申告と納付に支えられています。課税の公平を確保するためには、故意に不正な手段で税金を免れた者の責任を厳しく追及しなければなりません。このため、特に悪質な脱税をした者に対しては、査察調査という特別な調査を行い、税金を納めさせるだけでなく、懲役又は罰金という刑罰を科すための証拠収集を行います。
この査察調査には、国税庁と国税局に配置されている国税査察官(全国で約1,500名)が当たっており、脱税者の収入・資産のすべてを調査します。
査察制度は、悪質な脱税者に対して刑事責任を追及し、その一罰百戒の効果を通じて、適正・公平な課税の実現と申告納税制度の維持に資することを目的としています。
国税庁ホームページによると、令和6年度の査察調査では、検察庁に告発した件数は98件、脱税総額(告発分)は82億円でした。消費税事案、無申告事案、国際事案のほか、社会的波及効果の高い事案を積極的に告発し、告発した事案の全てにおいて一審判決で有罪判決が言い渡されています。
脱税には法的なリスクが伴い、刑事罰や罰金・懲役、追徴課税や税務調査、企業の信用失墜などの様々なリスクがあります。しかしながら、正しい税務対策を行うことができれば、法令順守を維持しながら税負担を最適化することが可能です。税務に関して不安がある場合はお気軽に弊社にお問い合わせください。
業務部 法人第5課 西原 賢
引用
国税庁ホームページ
「国税査察制度~脱税は、犯罪。~」
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/01.pdf
「令和6年度 査察の概要」
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/sasatsu/r06_sasatsu.pdf