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税務・会計
2026.02.09

資本的支出と修繕費の判定②

 前回の私のコラムでは、資本的支出と修繕費の区分について、大枠の判定の流れを解説しました。今回は、国税庁の法令解釈通達に記載されている細かい論点について解説したいと思います。

 

【修繕費に含まれる費用】

 前回にも解説した通り、通常の維持管理、また原状回復に要したと認められる部分の金額については修繕費となりますが、具体例として以下のような金額も修繕費とします。

 ・建物を移えい(そのままの状態で引っ張って移動させる)又は解体移築(解体して部材の70%以上を再利用し移築する)した際の費用

 ・機械装置の移設費用(集中生産又はよりよい立地条件において生産を行うために移設した場合を除く)

 ・地盤沈下した土地を沈下前の状態に回復するために行う地盛りに要した金額

 ・建物、機械装置等が地盤沈下により海水等の浸害を受けることとなったために行う床上げ、地上げ又は移設に要した金額

 ・現に使用している土地の水はけを良くする等のために行う砂利、砕石等の敷設に要した費用の額及び砂利道又は砂利路面に砂利、砕石等を補充するために要した金額

 

【災害の場合の資本的支出と修繕費の区分の特例】

 災害により被害を受けた固定資産(評価損を計上したものを除く)の取扱いについても詳細に決められています。

 ・被災資産の原状を回復するために支出した費用は、修繕費に該当する

 ・被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出した費用について、法人が、修繕費とする経理をしているときは、これを認める

 ・被災資産について支出した費用の額のうち資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでないものがある場合において、法人が、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、これを認める

 

【ソフトウェアに係る資本的支出と修繕費】

 ソフトウェアについては、プログラムの修正等を行った場合において、当該修正等がプログラムの機能上の障害の除去、現状の効用の維持等に該当するときは修繕費、新たな機能の追加、機能向上に該当するときは資本的支出とします。

 

 ここまででわかる通り、固定資産に支出した費用については、その実質が非常に重要となります。維持管理・原状回復なのか、価値・機能の向上なのかを名目だけで判断せず、内容をしっかりと見極めて判断することが重要となります。

 

参考:国税庁 法令解釈通達 法人税法 第7章 減価償却資産の償却等

                     第8節 資本的支出と修繕費

大阪の税理士

大阪市東住吉区杭全3-4-4

税理士法人 悠久 杉本会計事務所

企業第5課 監査担当 久保雅章

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