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税務・会計
2026.04.27

事業専従者

1.はじめに
 個人事業を営まれている方の中には、ご家族が事業に従事されているという方も多いのではないでしょうか。そのような場合に関係してくるのが「事業専従者」に関する制度です。

 事業専従者には、「青色事業専従者」と「事業専従者控除(白色申告)」の2つがあり、いずれも一定の要件を満たすことで、税負担の軽減につながります。ただし、適用方法や要件には大きな違いがあるため、正しく理解しておくことが重要です。本コラムでは、それぞれの制度の概要と適用する場合の留意点について分かりやすく解説します。

 

2.青色事業専従者
 青色申告を行っている個人事業主が、生計を一にする配偶者や親族に給与を支払う場合、一定の要件を満たせば「青色事業専従者給与」として、その全額を必要経費に算入することができます。

 主な要件は以下のとおりです。

・青色事業専従者の要件
青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
その年の1231日現在で15歳以上であること
年間を通じて6か月(または従事可能期間の2分の1)を超えて、事業に専ら従事していること

 また、青色事業専従者給与を必要経費とするためには、あらかじめ「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署へ提出しておく必要があります(原則としてその年の315日まで)。

 なお、支払う給与については、業務内容や労働時間に対して適正な金額であることが求められます。不相当に高額な場合、適正額を超過する部分については必要経費として認められないため注意が必要です。

 

3.事業専従者控除(白色申告)
 白色申告の場合でも、事業専従者に対する一定の控除を受けることができます。これを「事業専従者控除」といいます。

 控除額は原則として、以下のとおり定められています。

・配偶者:86万円
・その他の親族:1人につき50万円

 青色申告とは異なり、実際に支払った給与額ではなく、上記の定額を上限として控除する仕組みとなっています。

 なお、対象となる専従者の要件は、青色事業専従者と同様に「生計を一にする親族であること」「専ら事業に従事していること」などが求められます。

 

4.適用する際の重要なポイント
 事業専従者に関する制度を適用する際には、次の点に注意が必要です。

・専従者は配偶者控除や扶養控除の対象とならない
 専従者として給与の支払いや控除の適用を受ける場合、その親族は配偶者控除や扶養控除の対象から外れることになります。どちらが有利になるかは納税者本人の所得金額によって異なるため、事前の検討が重要です。

・「専ら従事しているか」の判断
 他に主たる仕事がある場合や、パート勤務との兼業がある場合には、「専ら事業に従事している」とは認められない可能性があります。実態に基づいた判断が求められます。

 

5.おわりに
 事業専従者に関する制度は、適切に活用することで大きな節税効果が期待できますが、要件を満たしていない場合には否認されるリスクもあります。

 

 制度の適用にあたってご不明な点や判断に迷われる点がございましたら、ぜひ弊所までお気軽にご連絡ください。

 

参照

・一般財団法人 大蔵財務協会

「令和7年版 図解 所得税」. 編者:百武寛泰(2025)

 

大阪の税理士

大阪市東住吉区杭全3-4-4

税理士法人 悠久 杉本会計事務所

企業第二課 監査担当 東寛太郎

 

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