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コラム

税務・会計
2026.07.30

法人が役員に社宅を貸し付ける場合

1.はじめに

 役員の住居を法人名義で契約し、会社が家賃を負担するというケースがあります。しかし、会社が役員の家賃の全額を負担すると、その負担額は役員に対する給与として取り扱われ、役員個人の課税所得が増えてしまいます。

一方で、役員から毎月一定額以上の家賃(賃貸料相当額)を受け取り、要件を満たしている場合には、会社負担分の家賃は役員に対する給与として課税されません。

 

本コラムでは、この役員社宅の概要と税務上のポイントについて解説します。

 

2.賃貸料相当額

 賃貸料相当額は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅とに分け、それぞれの別の計算式によって求められます。ただし、この社宅が、社会通念上一般に貸与されている社宅と認められないいわゆる豪華社宅である場合は、次の算式の適用はなく、通常支払うべき使用料に相当する額が賃貸料相当額になります。

 

(注1)小規模な住宅とは、法定耐用年数が30年以下の建物の場合には床面積が132平方メートル以下である住宅、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には床面積が99平方メートル以下(区分所有の建物は共用部分の床面積をあん分し、専用部分の床面積に加えたところで判定します。)である住宅をいいます。

 

(注2)いわゆる豪華社宅であるかどうかは、床面積が240平方メートルを超えるもののうち、取得価額、支払賃貸料の額、内外装の状況等各種の要素を総合勘案して判定します。なお、床面積が240平方メートル以下のものであっても、一般に貸与されている住宅等に設置されていないプール等の設備や役員個人のし好を著しく反映した設備等を有するものについては、いわゆる豪華社宅に該当することとなります。

 

3.小規模な住宅である場合

次の(1)から(3)までの合計額が賃貸料相当額になります。

1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント

212×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))

3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント

 

4.小規模な住宅でない場合

 役員に貸与する社宅が小規模住宅に該当しない場合には、その社宅が自社所有の社宅か、他から借り受けた住宅等を役員へ貸与しているのかで、賃貸料相当額の算出方法が異なります。

・自社所有の社宅の場合

次のイとロの合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。

イ(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12パーセント

ただし、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12パーセントではなく、10パーセントを乗じます。

 

ロ(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6パーセント

 

・他から借り受けた住宅等を貸与する場合

会社が家主に支払う家賃の50パーセントの金額と、自社所有の社宅の場合における賃貸料相当額とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。

 

5.給与として課税される場合

・役員に無償で貸与する場合

 賃貸料相当額が、給与として課税されます。

 

・役員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合

 賃貸料相当額と受け取っている家賃との差額が給与として課税されます。

 

・現金で支給される住宅手当や入居者が直接契約している場合の家賃負担

 社宅の貸与とは認められないので給与として課税されます。

 

6.まとめ

役員社宅は、法人が一定の要件を満たしたうえで役員へ住宅を貸与することで、法人側では家賃を損金算入でき、役員側でも給与課税を抑えることができる制度です。もっとも、役員から受け取る家賃が賃貸料相当額を下回る場合には、その差額が給与として課税されるため注意が必要であり、豪華社宅に該当する場合には通常の計算方法が適用されない点にも留意しなければなりません。

 

役員社宅は、適切に運用することで節税効果が期待できる一方、税務上の取扱いも細かく定められているため、制度の内容を理解したうえで活用することが重要です。

 

 上記以外にも、税務についてのお悩みやご相談をお持ちの方が居られましたら、ぜひ弊所までお気軽にご連絡ください。

 

 

参照

・国税庁

No.2600 役員に社宅などを貸したとき」

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2600.htm

 

大阪の税理士

大阪市東住吉区杭全3-4-4

税理士法人 悠久 杉本会計事務所

企業第二課 監査担当 東寛太郎

 

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